寧日雑考 第134号 静かな退職 2026.10.26
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最近、「静かな退職」という言葉を知った。
慶応義塾大学教授の島津明人氏が2026/8/19日経朝刊に
寄稿した記事を見る機会があり、深く納得した。

退職といっても実際に会社を辞めるわけではなく、
首にならない程度の仕事をする状態を指す。

会社から見れば、主体性・やる気の無い、給与泥棒的な
従業員である。しかし最低限の仕事だけはやるので、
簡単には首にできない。

人事部としては、他の従業員に悪影響を与えかねない、
困った存在と捉えているだろう。

島津氏は心理学が専門で、静かな退職に至る原因を
三段階で詳細に分析している。

(1)過重労働などが原因で「燃え尽き」、
(2)「頑張っても報われない」と無気力になり、
(3)能力を発揮する機会がなく、意味や成長を
  感じられず「退屈」になる。

この三段階を経て、新しい提案や余計なことは一切せず、
ひたすら就業時間を待つようになる。

これが「静かな退職」状態だ。

第106号 幸せに気をつけよう に書いた
・社員の90%が月曜日に会社に行きたくてたまらない
会社では従業員の幸福度が高い。

その結果として、
・創造性は3倍で、生産性31%、売上37%も高く
・欠勤率41%、離職率59%、業務上の事故70%も低い
という理想的な経営状態にある。

静かな退職者が多い会社は、この真逆だろうから
経営に苦労が多いと推測する。

5〜6年前から「エンゲージメント」なる言葉を
聞くようになり、会社で「エンゲージメント調査」
が頻繁に行われるようになった。
そしてスコア向上が毎年の全社目標になっている。

これも「従業員の幸福度」や「静かな退職」に
深く関係しているのだろう。

私事であるが、今年の春に職場環境が激変し、
前述の三段階にやや近い状況が続いている。

この年齢になって、このような気分を味わうとは
正に、人生万事塞翁が馬、であると思う。

しかし雇用は維持されているのだから、
贅沢な悩みとも言える。

考える時間は充分ある。
ここは焦らず、熟慮して、来年以降の姿を思い描こう。

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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://zak400.zatunen.com/
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( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした考察です)
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