寧日雑考 第106号 幸せに気をつけよう 2024.09.25
──────────────────────────────────────

2024/08/07(水)に前野隆司 氏の講演を聴く機会に恵まれた。

前野氏は、キャノンに入社しロボットの研究をした後、学者に転身した
異色の経歴を持ち、著書「脳はなぜこころを作ったのか」で
ヒトの意識に関する画期的な「受動意識仮説」を提唱した方である。

「心」「意識」について強い関心を持っていた私は「受動意識仮説」
に感銘を受けた。

第69号 解決 畢生課題 でも書いた「受動意識仮説」について
ごく簡単に説明すると

・「心」は、知・情・意・記憶と学習・意識の5つから成り、
 意識は脳のこびと(ニューラル・ネットワーク)の川下にあり錯覚である。
 これが受動意識仮説。(つまり後から、そうだと思い込まされているだけ)
・クオリアも錯覚。指を針で刺されたときに指が痛いと感じることと同じ原理
 → 痛みを感じるのは脳だが、指が痛いとしか思えない状態。
・意識は、生き残るための記憶であるエピソード記憶を行うために発明された。

という内容だ。

前野氏は心の研究から、幸せ・幸福の研究に移り、現在は著書
『幸せのメカニズム』に代表される幸福学のほか、現代世界が直面する
環境・安全・健康・平和など人間がかかわるシステム全般を対象に、
学問分野の枠を超え、幅広く研究を行っている。

前野氏の講演を生で聴講できた私は、とても幸運だ。

講演の表題は
「ウェルビーイング経営 従業員と社会を幸せにする働き方とは」
である。以下、主な内容を、私の責任で箇条書きで記載する。

==================================
●Well being(ウェルビーイング)とは、身体・心・社会が良好な状態
・Happiness(ハピネス・ハッピー)とWell being(ウエルビーイング)の違い
 → ハッピーは数秒から数分間、ウェルビーイングは数十年間(一生)

●幸福の要素
・(1)視野の広さ (2)協調性 (3)チャレンジ精神 (4)やる気と思いやり
 この4つがある人は幸福度が大きい。
・この逆を考えれば不幸な人が分かる。(不幸だろうと想像できる)
 → 視野が狭く、自分勝手、何に対しても後ろ向きで、思いやりがない人

●幸せはコントロールできる
「健康に気をつける」
 → ちょっと我慢する(食べ過ぎ・飲み過ぎ)、軽い運動をする(歩く)

「幸せに気をつける」← この言葉は今はないが健康と同列に考えるべき
 → ちょっと視野を広げ、協調性をもって皆と仲良く、思いやり
   口角(口の両端、微笑みの表情筋)を上げると幸福度が上がる。
 (笑う表情だけでオキシトシンやセロトニンなどの幸福ホルモンが出る)
 → しかめ面をしていると幸福度が下がる。
 → 上を向いて、大股で歩くと幸福度が上がる。
 → 下を向いて、小股で歩くと幸福度が下がる。
 → ヒマより忙しい方が幸せ。
 → 失敗は次に成功する幸せの元。前向きに考える。

●幸福度とパフォーマンスの関係
■社員の幸福度が高い会社は業績が良い。
・幸福度の高い社員は、創造性3倍、生産性31%、売上37% 高い
・幸福度の高い社員は、欠勤率41%、離職率59%、業務上の事故70% 少ない
 → 社員の幸福度を上げない選択肢はない
■社員が幸福な会社の実例(西精工、伊那食品工業、石坂産業など)
・社員の90%が月曜日に会社に行きたくてたまらない。
・毎年高卒15人、大卒15人採用する。大卒の応募は1500人(選び放題)。
■幸せな人は長寿
・幸せを感じている人はそうでない人と比べ7.5〜10年寿命が長い
 → 免疫力が上がるから

●幸福学(Well-being study)の基礎
■ 「地位財」型の幸せは、長続きしない!
→ 地位財=他人と比べられる財
→ 金、モノ、社会的地位 ・・・金銭欲、物欲、名誉欲の充足
■ 「非地位財」型の幸せは、長続きする!
→ 安全など、環境に基づくもの・・・社会的に良好な状態
→ 健康など、身体に基づくもの・・・身体的に良好な状態
→ 心的要因(幸せの4つの要因)・・・精神的に良好な状態

1.やってみよう因子(自己実現と成長)強み、主体性
2.ありがとう因子(つながりと感謝)利他、多様性
3.なんとかなる因子(前向きと楽観)チャレンジ精神
4.ありのままに因子(独立と自分らしさ)自分軸

●その他(前野 氏 一流の前向き思考)
・日本は、心的要因(精神的な要因)が先進国で最下位である。
 → だから伸びしろが大きい
・AIは、これからの5〜10年で凄いことになる。すでに始まっている。
・日本は失われた30年の揺り戻しで、これから成長するだろう。
・少子化は単なるトレンド。国民みんなが幸せを感じたら
 出生率はすぐに2.2になる。
==================================

 「幸せに気をつけよう」
 触発される言葉だ。折に触れて意識しよう。

───────────────────────────────────────

横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://zak400.zatunen.com/
____________________________
( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした考察です)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

トップページに戻る