寧日雑考 第94号 GDP4位転落 2023.10.27
────────────────────────────────────

2023.10.25(水)の日経朝刊に、

 日本のGDP、4位転落 ドイツに抜かれるIMF今年予測 長期低迷映す

という記事があった。

記事によれば、2023年は、

 日本:前年比0.2%減の4兆2308億ドル(約633兆円相当)
 ドイツ:8.4%増の4兆4298億ドル

となる見込みという。ちなみに、

 1位の米国は5.8%増の26兆9496億ドル
 2位の中国は1.0%減の17兆7009億ドル

である。更に、

 2000年の時点では日本の経済規模は4兆9683億ドルで世界2位だった。
 00年初の円相場は1ドル=105円程度。当時のGDPはドイツの2.5倍、
 中国の4.1倍だった。10年に日本を抜いて2位の座についた中国は、
 23年には日本の4.2倍となる見込みだ。

 00年からの名目GDPの伸びを自国通貨建てに直すと、中国が12.6倍と
 突出する一方で日本は1.1倍にとどまる。
 伸びはドイツの1.9倍や米国の2.6倍を大幅に下回る。

 1人当たりの名目GDPでは、日本は23年に3万3949ドルとIMFのデータ
 がある190の国・地域のうち34位となる見込みだ。
 1位はルクセンブルクの13万5605ドル。日本は英国やフランス
 などより低く、35位の韓国(3万3147ドル)に肉薄されている。
 00年時点では、187カ国・地域のうちでルクセンブルクに次ぐ2位だった。

と続く。

GDP 4位は、1ドル150円という昨今の円安の影響もあるだろう。
しかし2000年以降の自国通貨建のGDPの伸びが日本だけ、わずか1.1倍
にとどまる、という事実を見ても日本経済の凋落ぶりは目を覆うばかりだ。

これは 第70号 失われた30年 に書いこととも残念ながら整合する。

日本だけ、これほど酷い経済状況にした責任は誰にあるのだろうか?

政治家、経済学者、財務省官僚、大手マスコミ、コメンテーター、
そして30年前から選挙権を持っている現在50歳以上の日本国民だ。

だから、私の責任でもある。

自分と自分の家族だけは、ある程度の生活水準を維持できるよう
懸命に努力してきた、という自負はある。

しかし個人の努力だけでは駄目だ。
日本の政策を変えなければならない。

このまま経済低迷が続けば多くの日本人はますます貧乏になる。

そして少子高齢化が一層進み、人口が減り、外国人だらけの、
貧富の差が激しく、治安悪化が著しい、貧困国になってしまう。

すなわち豊かな先進国からの脱落だ。

現に、この20年で一人あたりGDPは2位から34位と
大幅に落ちている。

残念ながら確実に貧乏国への道を歩んでいると言って良い。

日本の経済回復・成長への道は、

・自然災害や侵略から国土を守る
・失業率を減らす
・人財投資、設備投資で技術革新を進める
・古くなった社会インフラを整備、更新する
・安価で安定した安全なエネルギー供給網を構築する

これらの政策で、生産力・生産性を高めること。

すなわち国力の維持向上だ。

その財源は、増税や社会保険料の引き上げではない。
安全資産である日本国債だ。

 第43号 IMF財政モニター
 第45号 MMT コペルニクス的転回

に書いたとおりである。

何より、凋落してゆく日本を立て直す原動力は、
正しい政策を実行できる政治家、そして
その政治家を選ぶ私たち日本国民である。

───────────────────────────────────────

横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://zak400.zatunen.com/
____________________________
( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした考察です)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

トップページに戻る