寧日雑考 第77号 魅惑のヤシ類 2022.05.27
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猖獗を極めた武漢発新型コロナも、漸く終熄が見え始めた模様で、
今年は3年ぶりに外出自粛要請無しのゴールデンウイークだった。

そんな今月上旬、家内と二人で沖縄小旅行を堪能した。
瀬底島(せそこじま)のリゾートホテルに2泊3日である。

航空マイルや、ふるさと納税特典、各種割引を徹底活用した
家内のやりくり算段のお陰で、思いがけなく低予算で足りた。

沖縄は梅雨の真っ最中で、旅行中ほぼ雨天だったので、
気合いを入れた観光名所巡りはせず、のんびり過ごした。

これがバケーションというものだろう。
尤も2泊3日では短か過ぎるかもしれないが。

ホテルの庭に南国風の樹木が多数植えられていた。
解説プレートを見ると、いずれもヤシだ。
解説を読み、木をよく見るうちに識別できるようになった。
そして、嵌まった。

第59号 優美 ヒカゲヘゴ(奄美大島) に続く傾倒だ。

ホテルの庭にヤシ類は、
 ビロウ、アレカヤシ、ラタニアヤシ、ヤエヤマヤシ、
 ナツメヤシ、トックリヤシ
の6種類あった。(※1)
トックリヤシを除いて、いずれも5〜6メートルの大木だ。

ヤシ類はすべて真っ直ぐな幹一本で枝がない。そして、
幹の頂点から葉が放射状に広がる。

葉の形は、掌状(しょうじょう 手のひら型)と、
羽状(うじょう 鳥の羽根型)の二つに分類される。

ヤシの種類によって、葉の形と広がり方が明確に違うので、
私のような初心者でも比較的簡単に見分けられる。

個人的にはアレカヤシがお気に入りだ。
とても上品で、室内観葉植物としてもよく見る。

またナツメヤシには野性味があり、見応え充分だ。
ホテルにはなかったが、フェニックス(カナリーヤシ)は
大きく、盛観だ。威厳もあって良い。

環境省が運営する やんばる野生生物保護センターの
「ウフギー自然館」(※2)にレンタカーで向かう時に見た
国道58号線の街路樹は恐らくビロウと思われる。

ウフギー自然館にあったヤシ類植物図鑑でユスラヤシを知り、
沖縄市にある「美らヤシパークオキナワ(東南植物楽園)」
にある日本一のユスラヤシ並木通りも見に行った。(※3)
これには圧倒された。美らヤシパークオキナワには他に、
トックリヤシ並木や、大好きなヒカゲヘゴの森もあった。

ヤシ類はヒカゲヘゴと並んで、やや原始的な雰囲気だが、
シダ類であるヒカゲヘゴよりも樹木の風格がある。
そしてゆったりと落ち着いた、優雅な南国の風情を感じる。

もっとヤシ類を詳しく知りたいと思い、図鑑を懸命に探して
漸くアマゾンで、ドイツ人植物学者の"The Book of Palms"を
見つけた。少し高価だったがエイッと購入した。

これで当分の間、ヤシ類三昧の毎日を過ごすことになるだろう。

心が躍る。

※1ヤシ類の写真は寧日雑考のホームページを参照ください。
http://zak400.zatunen.com/Nzak0077_2.html

※2やんばる野生生物保護センター「ウフギー自然館」
https://www.ufugi-yambaru.com/

※3美らヤシパークオキナワのユスラヤシ並木通り
https://www.southeast-botanical.jp/explore/botanical.php


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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://zak400.zatunen.com/
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( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした考察です)
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