寧日雑考 第44号 選挙権免許試験 2018.11.26
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久しぶりに、呉 智英(くれ ともふさ) 氏の言論に接した。
変わらない論調を聞き、共感するところも多く、にんまりした。

氏の著書「日本衆愚社会」で衆愚政治を防ぐため憲法15条〔公務員の選定・罷免権、
全体の奉仕者性、普通選挙・秘密投票の保障〕を改正すべき、という一文を見つけた
ので紹介する。

『 いまこそ「選挙権免許制度」を 』から抜粋

「「「
<略> 立法に関わる人、すなわち議員のみは、服役中などを欠格事由とする
だけで、なんの資格も免許も要らない。それは選挙を潜り抜けているからである。
<略> 私が考える選挙権免許試験は、司法試験や医師国家試験よりはるかに
難度が低く、自動車免許と比べてさえ合格することが容易である。ごく常識的な
中学校卒業時までに身に付けておくべき客観的な知識を問うだけである。
例えば、常用漢字の読み書き、<略>またイギリスとフランスの位置。
分数の計算。ごく初歩の英文和訳。炭酸ガスの化学式。魚と鯨のちがい。
この程度の試験でさえ、恐らく受験者の半数ほどが落ちるだろうし、そもそも
免許を獲得してまで選挙権を持とうとする人は多くないだろう。逆に言えば
現在の有権者すなわち国家の主権者の多くは、義務教育レベルの知識も十分でなく、
主権者意識もない、ということだ。
」」」

憲法15条を修正して普通選挙をやめ、選挙権免許試験を課すとは、
基本的人権を蔑ろにする極論のように聞こえる。

私は第35号 憂国事情で、
『数えればきりの無いこれらの問題(政治経済、安全保障など)が日本では、
 電車の中吊り広告(新聞の週刊誌広告)とワイドショーによる輿論形成で、
 なんとなく雰囲気が醸し出され、総選挙のお祭り騒ぎで決まる。』
と書いた。

直近の国政選挙の投票率が有権者の半分程度53%〜54%という事実がある。
 (http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/ritu/)

権利の上に眠るものは保護に値せず、という法格言もある。

主権者の多くは主権者意識がない、選挙権免許制度にすべき、という
呉氏の主張に同意できる。

投票に値する政党・立候補者がいない、という弁明を時折耳にする。
しかし、政治は国民を映す鏡であるから、つまるところ、
自分のレベルが低いことを自慢している愚か者の言動ということだ。

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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://www.geocities.jp/monburu/
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( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした雑文です)
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