雑考400 第388号 相対と絶対 2015.2.21
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久しぶりに外山滋比古氏の「知的創造のヒント」を眺め読みしていたら創造的比喩の項目
に当たった。優れた比喩は思考を節約する、として”淋しさ”の感情を急停車した乗り物
の乗客に準え、感情における慣性の法則による不在感の現象、と説明する。成程と思う。
さて毎朝の通勤で駅の改札から150m程、天井が高い直線の地下道を歩くのだが、歩き進む
につれて大小2つの吊り標識の見た目の大きさが入れ替わるのが面白い。大きい方をA、
小さい方をBとすると、最初はA>Bに見える。100m程進むと逆転してA<Bとなるが、
すぐに元通りにA>Bと「知覚」する。AはBより遠くに吊ってあり、模式図を書けば、
(私)─────100m─────(B)─10m─(A) だ。A<Bへと変わる瞬間の変化は早く
直後にAがBより2倍も大きい事を知り、もはや見た目のBの大きさに騙され得ないのが
面白い。これは仰角(∠)の急激な変化とABの絶対的な大きさの認識に由来する。つづく

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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com http://www.geocities.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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