雑考400 第378号 絶品 北方水滸伝 2012.02.26
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昨年9月の転勤以降、多忙な日々が続き読書時間が減ったままだ。残業時間3桁は15年
ぶりである。加齢から体力も落ちており、日付が変わる頃に単身赴任居所に帰ると活字を
読む気力が失われている。ある日、部下に三国志は面白いという話をしたところ北方謙三
の水滸伝も面白いですと言われ借りることになった。北方謙三氏はハードボイルドで著名
な作家くらいしか知らなかった。以前、北方三国志を読んだのだが吉川英治の三国志とは
全く異質の男の物語になっており、文体も体言止めが多用されている印象が強く残ってい
余り好みではなく期待していなかった。ところが読み始めたら止まらない。絶品である。
文庫本1巻の北上次郎氏の巻末解説で北方氏が新しい水滸伝を生み出したことを知った。
壮大且つ緻密な物語展開、文体も自然で硬さが無い。そして登場人物一人一人を生身の男
として描ききる筆力に今の自分を重ね合わせてしまう場面が多々ある。正に絶品である。

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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com http://www.geocities.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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