雑考400 第273号 机上鳥類学 2001.2.10
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「AならばBである」を考える。これをひっくり返して否定すると「BでないならばAで
はない」となる。これを対偶(たいぐう)と言い、前提が正しければ対偶も正しく、誤りな
ら対偶も誤り、つまり対偶は前提の正誤に必ず一致する。と、高等学校の数学で学んだ。
この応用例がアリバイ(現場不在証明)だろう。「犯人ならば、犯行現場に居る」の対偶は
「犯行現場に居なければ、犯人ではない」となる。ところで犯行現場に居ない事の証明は
極めて難しい。そこで別の場所に居た事を証明し、結果として犯行現場には居ない事を証
明するのがアリバイだ。要注意は「犯行現場にいなければ、犯人ではない」からは「犯行
現場にいるならば、犯人である」とは言えない事だ。「犯行現場に偶然居たが、犯人では
ない」事は十分ある。逆は必ずしも真ならず。誤ると冤罪の危険性に繋がる。一方、対偶
の論理的正しさは絶対だ。だからアリバイは重要視される。準備は整った。次号へつづく
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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