雑考400 第253号 心=脳のモデル 2000.11.20 ──────────────────────────────────────── 知人に著書を紹介して貰った。信原幸弘 著『考える脳・考えない脳 心と知識の哲学』講 談社現代新書である。意識・認識の不思議、脳の謎に興味のある私にとって、これぞ待っ ていた、と言う本だ。心を脳の働きと捉える立場は大きく二つあり、一つが古典的計算主 義、もう一つがコネクショニズムである。古典的計算主義は、脳内では心的な表象(≒表 現や記号)が構文論的構造(トムはスパイだ。のように要素と規則から成る構造)に基づ いて分解・合成・処理されている、そして心的表象の乱舞が心である、と言う立場だ。ヒ トは言葉で考える、ので説得力を感じる。またコンピュータにぴたり当てはまる。その筈 で計算主義という言葉が示すようにコンピュータを元に考え出されたものだ。やがて適切 にプログラムすればコンピュータも人間並の知能を持てる、とする人工知能研究が誕生す る。この立場は「心は適切にプログラムされたコンピュータである」というものだ。続く ──────────────────────────────────────── |
黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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