雑考400 第229号 夜の白い花 2000.9.5
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一茶の句に「しなのぢや そばの白さも ぞっとする」というのがある。資料によれば文化
14年一茶55歳の作品 とある。西暦1817年、183年前だ。一茶は何故、蕎麦の白さにぞっと
したのか?厳しい冬の雪を連想させるから、という説を聞いた事があるが違うと思う。私
には真夏に真冬を想像できない。以来ずっと疑問に思っていたが、この夏、自分なりに納
得した。信濃町では8月下旬から蕎麦の花が満開である。蕎麦の白い花が咲いて初めて気
づいたが、道路沿いの去年まで田圃だったところが、今年は蕎麦畑に変わっている。そん
な場所が非常に多い。米余り対策としての転作だろうか。先日の月夜の晩、街灯の無い暗
い道を車で走った時、道の両側が白くぼぉーっと浮かび上がるのを見てぞっとした。蕎麦
の花だった。家内によれば玄関横で増えすぎたマーガレットが夜に白く浮かび上がって気
色が悪いので引き抜いた事がある、と言う。夜の白い花はぞっとさせるのかも知れない。
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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