雑考400 第223号 光速度不変の謎4 2000.8.16
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第195号「光速度不変の謎1」を書いた直後 2000.6.5の読売朝刊に次の記事を見つけた。
『ロンドン4日=芝田裕一 4日付の英日曜紙サンデー・タイムズは、米東部ニュージャー
ジー州プリンストンにあるNEC(日本電気)の研究所が、光を通常の三百倍まで加速するの
に成功した、と報じた。事実なら現代物理学の常識を覆す実験となる。<略>』
 単なる新聞発表に過ぎないが、光速度に関して私の頭がホットであっただけに、相対論
は間違っているのか? と強い興味を持った。
 その後2000.7.20、2000.7.27に関連記事が載った。2000.7.27読売朝刊から抜粋する。
『米プリンストンにあるNEC(日本電気)北米研究所のリジュン・ワン研究員らは、真空中
での光の早さを上回るスピードで光信号を送ることに成功したと英科学誌「ネイチャー」
に発表した。アインシュタインの相対性理論では、どんなものも光速を超える早さで移動
できないとされており、一見、矛盾するように見える研究だが、ワン研究員は「今までの
物理学の法則に反する現象ではない」としている。<略>』
 記事を読んだが原理は難解で、私にはよく判らなかった。ただ、単純に相対論が間違っ
ているというのではなく、少しずつ修正されながら相対論は発展するのだろうと感じた。
 話は前後するがレーザージャイロの原理も、やはり難解で、私には判断出来なかった。

 今回、光速度不変にかかる一連の情報を読んだ結論として、相対論は間違っていると主
張する人々は、その主張と共に相対論に変わって物理現象を統一的に説明できる理論をき
ちんと論文にして他の研究者の検証を受けるべきだ、と思った。これは読者の方から頂い
たメールでも指摘されていた。それが無ければ、結局は売名行為にしか映らないだろう。
 前述の「ニュートンとアインシュタイン−科学をダメにした7つの欺瞞」は「トンデモ
本の逆襲」でも取り上げられている。但し、トップクォークに関する誤解の部分、圧力論
の部分、そして別の頁でレーザージャイロに関する部分のみである。これは文書スペース
の関係と編集の方針から明確なトンデモ部分を抜き出したものだろう。私は「〜7つの欺
瞞」はこの部分以外に、まともで興味深い内容があると感じている。
 それはさておき、たった一冊の、しかも一般向けの本を読んだだけで、一足飛びに相対
論が間違っているかも知れない、と考えるのは短絡的で危険であると改めて感じた。
 相対論は絶対ではないのだと思う。しかし地道な研究に支えられ、修正されながらも発
展を続けて行くだろう現状を知った。

 遅くなりましたが、光速度不変に関し、丁寧なメールを頂いた読者の方々に、この場を
借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。とても勉強になりました。

※今回は400字をオーバーしましたが、了承願います。
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
mail:monburu@nifty.ne.jp http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Keyaki/1755
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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