雑考400 第212号 変わるもの 2000.7.18
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2000.6.26川崎市武蔵中原駅近くで行われた養老孟司 氏の講演で、変わるもの=動いてい
るもの=生命、変わらないもの=止まったもの=情報、という話を聴いた。例えば細胞は
一瞬たりとも止まらず常に動いている。そして二度と同じ状態をとらない、それが生きて
いるという事だ、と言う。平家物語の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」は人の変
化を表す。何故か?剛体で固有の振動数を持ち常に同じ響きをする筈の鐘の音が違って聞
こえる、それで自分が変化している事を知る。鴨長明も方丈記「ゆく河の流れは絶えずし
てしかも、もとの水にあらず。淀みに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとど
まりたる例(タメシ)なし。世中にある人と栖(スミカ)と、またかくのごとし」で、ずばり
人が変わる存在である事を喝破している、と言う。同じ小説や映画を鑑賞する度に感想が
変わる。これも自分が変化している証拠だろう。私の性格診断の困惑も、宜なる哉、だ。
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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