寧日雑考 第89号 ChatGPT 2023.05.28
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近ごろ頓に見聞する ChatGPT で遊んでみた。
なるほど、とても良くできている。

文字入力で問いかけると直ぐに回答が表示され始める。
その内容が極めて自然で流暢な日本語の文章となっている。

これだけの文章が書けるようになるには、ヒトでも
それなりの訓練が必要なレベルだ。

ネットの向こう側に見識のある人間が居て、文字での会話、
所謂チャットをやっていると言われても全く気づかないだろう。

これだけ完成度が高いと、受け答えの必要な定型的な作業等
に使えば大幅な効率化が期待出来ると思う。
大企業が挙って導入するのも頷ける。

但し、使い方を誤るとかなり危険な道具になる。

確かにChatGPTは、自然な日本語文章で素早く回答する。
しかし回答には、誤解・間違い・嘘が含まれている。

なぜなら検索エンジンで集めたWEB上の有象無象の言葉を、
それらしい順番で並べているに過ぎないからだ。

これは、私自身が長年関心を持って調べ、それなりに理解した
事物についての問いかけで判明したことだ。
試しに自分の専門分野について質問し、その回答を見れば、
ChatGPTの危険性を実感できるだろう。

ChatGPTの回答はWEB上の有象無象の言葉の最大公約数である。
従って、その内容を信じるかどうかは、自分が正誤を判断
できる事物にしか使えない。

一方、自分が知らないことを知るために調べているのだから、
その正誤を判断できる筈もない。これは一種の矛盾だ。

Google等の検索結果の妥当性、信憑性はどう担保されるのか。
例えばウィキペディアに書かれている内容は玉石混交で、
無条件に信用するのは極めて危険だ。

WEBから集めた情報を元に、それらしい文章で回答する
ChatGPTは、寧ろより危ないとも言える。

それでもChatGPTが便利な道具であることは間違いない。
要はそれを使う人間の技量と、使い方次第だろう。

パソコン、テレビゲーム、インターネット等は、出始めの頃
には賛否両論あった。
しかし今では当たり前の無くてはならないものとなっている。
ChatGPT等の生成AIも近い将来、不可欠の道具となるだろう。

IT技術の新しい道具、生成AIの黎明期から普及までを体験
できる私はとても幸運だ。有意義に使いこなせる技量を磨こう。

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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://zak400.zatunen.com/
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( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした考察です)
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