寧日雑考 第81号 月明那智 2022.09.23
─────────────────────────────────────

2年ほど前の2020年11月に島根県の足立美術館に行った。
日本庭園と横山大観コレクションで有名な美術館である。

日本庭園は正に絶景だった。一見の価値がある。そして、
この美景の維持管理には莫大な労力が必要だろうと実感した。

また横山大観をはじめとする日本画コレクションも評判通りの
素晴らしい作品群だった。

ここで遭遇したのが手塚雄二 氏の「月明那智(げつみょうなち)」だ。
一目で魅了された。傑作である。

夕暮れどき、那智の滝の真上、夕焼けと夜空のグラデーションの
真ん中に白い満月がぽっかり浮かんでいる。
 

下記の作品説明があった。

  手塚雄二 1953年神奈川県生まれ 2010年57歳 作品
  月明那智(げつみょうなち)

   神の瀧に月が昇りました
   静かに私の心の中に

満58歳の誕生日を迎えて資格定年となる、その数日前に、
私は「月明那智」に遭遇した。

「月明那智」を見たとき、作者の意図とは関係なく、私は思った。

太陽ほどに光り輝くことは出来ないが、俺はまだまだ昇れる。
いぶし銀の光で、と。

足立美術館ホームページ
https://www.adachi-museum.or.jp/

 コレクション → 現代日本画 手塚雄二 「月明那智」


───────────────────────────────────────

横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://zak400.zatunen.com/
____________________________
( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした考察です)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

トップページに戻る