寧日雑考 第8号 「リプレイ」 2016.03.27
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「リプレイ」は、ケン・グリムウッドのSF小説の題名だ。

リプレイとは、主人公がある年齢になると必ず死ぬが、
すぐに記憶・意識は連続したままで過去の若い身体の自分として
過去にタイムスリップした状態で目覚め、そして、もう一度
人生を繰り返す現象、を指す。

この小説は、背景にSFの設定を借りた、人生哲学の傑作である。
だから、なぜ主人公がリプレイを繰り返すのか、その仕組みを
科学的・物理的・論理的に説明することはない。
主人公は繰り返されるリプレイの中で、もがき苦しみながら、
その年齢(43歳)までの人生を何度も生きる。
リプレイの間隔は徐々に狭まり、そして…。

この小説の深さ、面白さを理解するには、自分で考える力と
ある程度の年齢が必要だ。
この二つを持つ読み手なら、結末に、生きる希望を見いだすだろう。
そして明日からの自分の人生を考える契機になるかも知れない。
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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://zak400.zatunen.com/
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( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした考察です。)
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