寧日雑考 第4号 日本国債は安全資産 2016.02.10
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事実1
 日銀の黒田総裁が、異次元緩和に続き、マイナス金利を発動した。
 その結果、2016.2.9の東京債券市場は、長期金利の指標となる
 新発10年物国債の市場利回りが一時、マイナス0.035%まで低下し、
 史上初めてマイナスとなった。

 (ア)<長期金利>初のマイナス 株安円高、日銀に誤算
 毎日新聞 2月10日(水)0時10分配信
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160210-00000000-mai-bus_all

事実2
 2016/02/10日経平均の午前終わり値は15,699円と、あっさり1万6000円を
 割り込んだ。
 これは日銀が量的・質的緩和の拡大を決めた2014年10月31日の安値を
 下回っている。

 (イ)日経電子版 2016/02/10
 http://www.nikkei.com/markets/kabu/summary.aspx?g=DGXLASFL10HE4_10022016000000

 理由は、日銀がマイナス金利導入を決めたことを受け、日銀にお金を
 預けておくと損をする金融機関が国債を買う動きを強めていたことに加え、
 欧米市場の株安を受けて東京株式市場でも株価が急落し、
 安全資産とされる国債を買う動きが広がったため
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 とある。(ア)の毎日新聞配信に記載あり。

 ※2016/2/12 日経平均 午前終値 1万5000円割れ  
 http://www.nikkei.com/markets/kabu/summary.aspx?g=DGXLASS0ISS13_12022016000000
 世界金融危機の様相を呈している。 2016.2.12緊急追記

結論
 以上の事実から、次のA)が誤りであると推論できる。

 A)日本の一部の経済評論家、マスコミが主張し、財務省が尻馬に乗って、
  ・日本はGDPの2倍以上の借金を抱えて破産しそうな状態である。
  ・日本国債の発行残高は1200兆円を超えている。今はまだ日本国民の
   金融資産の枠内で国内消化されているが、いずれ消化しきれなくなる。
  ・破産状態にある日本の国債など誰も買わない。
  ・だからこのままでは日本の財政は破綻する。
  と喧伝している。

 B)世界中の投資家が株を売って、日本国債を買い求めている。
  つまり、日本国債は安全資産と考えている。
 
 A)とB)は矛盾している。従って、どちらかが誤りである。
 B)は事実であり、否定できない。よって、A)が誤りである。

その他
 次のような詭弁、デタラメも普通に喧伝され、実行されている。
(1)日本の法人税率は高く、このままでは企業が外国に逃げ出してしまうから、
  実行税率を30%以下に下げなければならない。
  (因みに、財務省のHPによれば、米国は40.75%なので日本より遥かに高い。)
  (https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/084.htm   )

(2)一方で、日本は借金が1200兆円もあり財政危機なので、消費税を10%に
  上げなければならない。

(3)更に少子高齢化なので一層の緊縮財政が必要である。

こうして景気は一層悪化し、国民所得は減り、連動して税収も減る。
ますます緊縮財政が吹聴され、デフレーションが続く。先行きは暗い。
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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://zak400.zatunen.com/
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( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした考察です。)
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