雑考400 第392号 天津爆発と中国の歴史 2015.08.30
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報道によれば2015.8.12夜に天津市の臨海部 濱海新区の天津港保税区に所在する物流会社
「天津瑞安国際物流有限公司」の危険物倉庫で大規模爆発事故が発生し、周辺半径数km
圏内では衝撃波と熱風で甚大な被害を受けたという。政府発表の犠牲者数が少なすぎる、
爆心付近に巨大な穴が空いた、猛毒物質が流出し付近の河川で魚が大量死した、政府の
報道規制で50のWEBサイトが閉鎖された、等の情報も散見されるが、真相は不明である。
但し、爆発の原因となった危険物質の違法な大量保管が、賄賂によって監督官庁から黙認
されていたことは事実の模様だ。※1 FT「中国の真の腐敗「小虎」天津爆発で明るみに」

私事だが、北方水滸伝(378号)の3回目通読が終盤に入った。英雄豪傑が梁山泊に集結し、
宋に反旗を翻した誘因は、過酷な税の取立と役人の腐敗・賄賂である。もう一つの古典の
三国志で黄巾の乱が生起した要因は、皇帝を傀儡化し政権中枢で私利を貪った宦官・外戚
・官僚達である。習近平国家主席の「虎もハエも同時に叩く」という反汚職キャンペーン
や今回の天津爆発事故を見るにつけ、中国の権力腐敗構造は約1900年前から現代に至る迄
脈々と続いており、残念ながら、信頼できない権力体制の国であると言わざるを得ない。

※1 Financial Times 日経グローバル「中国の真の腐敗「小虎」 天津爆発で明るみに」
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO90890820U5A820C1000000/

※ 今回は400字をオーバーしましたが、ご了承願います。
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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com http://www.geocities.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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