雑考400 第321号 適当に 2002.3.12
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「適当にやる」と言えば"いい加減に"という語感があるが本来は"適正妥当にやる"、の略
ではないか?とふと思った。"適正妥当"なら文字通りで、いい加減の対極である。念のた
め広辞苑(第四版)を見たら、 (1)ある状態や目的などに、ほどよくあてはまること「−し
た人物、−な広さ」 (2)その場に合せて要領よくやること。いい加減。「−にあしらう」
とあった。(1)と(2)では正反対の意味だ。不思議な日本語である。意味が変わってしまう
言葉は他にもある。「精々」「情けは人の為ならず」「犬も歩けば棒に当る」「憮然とし
て」(これは91号に書いた)「結構」などは比較的使われる言葉だと思う。自分では正しい
用法のつもりで、苦しんでいる人に「精々頑張って下さい」と言えば反感を買う可能性が
高いと思われる。言葉での意志疎通が唯一の組織社会では特に注意が必要と再認識した。
広辞苑より【精々】 (1)力の及ぶ限り。精一杯。 (2)十分に多く見積っても。たかだか。
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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