雑考400 第310号 批判 2001.8.21 ──────────────────────────────────────── 野矢茂樹 氏著「論理トレーニング101題」131頁から 『「批判する」ことは必ずしも「反 対する」ということではない。<略>強調したい批判のあり方は、理解するために、あるい は受け入れるために為される批判である。それゆえ、結論には共感しつつも、なおその論 証に対して「これはおかしい」と声をあげるということが起こる。<略> この感覚がない と、対立するか馴れ合うかのどちらかしか選べなくなる。自分を批判する相手を、ただ敵 対する者としてしかとらえられなくなる。その結果、自分自身に対する批判的まなざしも 失われる。<略>』これを読み目の覚める思いがした。経験を積み熟練してくると自尊心も 大きくなる。そこで批判されると、敵対(排除)か馴れ合い(迎合)の二者択一となる事が多 い。地位が上がるほど批判を冷静に受け止めることが難しくなる。頑迷固陋一直線だ。勿 論批判の中には敵対的なものもある。その洞見と謙虚さこそ肝要、と自戒を込めて思う。 ──────────────────────────────────────── |
黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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