雑考400 第296号 構造改革 2001.5.19 ──────────────────────────────────────── 財政・行政・経済構造を変革すれば、一時的には苦しいが日本は再生する。長い目で見れ ば、それが国民全体の利益になる、という主張は正しいのだろう。但し私は二つの難問を 感じる。一つは、具体的な保証が無い事だ。苦しいのは1年か2年か?改革完了後に生活 はどう良く変わるのか?もう一つは、構造改革実行時点では、特定の人間だけでなく必然 的に国民全員が不利益を被る当事者となる、と言う事だ。それが「聖域なき構造改革」の 意味するところだろう。規制緩和による既得権益喪失、郵政三事業民営化、公共事業削減 (=ゼネコン受注減少=無数の下請け孫請け中小零細企業の経営悪化)、財政赤字解消の為の 歳出削減&増税、福祉予算の縮小等々。改革断行小泉内閣支持の9割の国民はそれを自覚 し理解できるか?そこに「囚人のジレンマ」が出現するのではないか?結局自らを守るミ ニマックスの原理が働き、総論賛成各論反対→支持率悪化→構造改革断念、を懸念する。 ──────────────────────────────────────── |
黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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