雑考400 第262号 失われた10年? 2001.1.9
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1990年代を指して「失われた10年」と言われる。語感からも否定的な言葉だ。GNPや1人当
り所得が伸び悩み、大銀行や証券会社が破綻した。不動産価格が下落し続け、これを担保
に巨額の融資をしていた銀行、保険会社などが膨大な不良債権を抱え込んだ。そして血税
の公的資金投入で金融不安を回避した。これが失われた10年の意味するところだろう。が
個人的には否定一辺倒風潮に疑問もある。勿論、私が銀行や保険会社の破綻に直面してい
ない幸運を別としてだ。それは物価が下がり実質的な購買力が上がった、と感じる事であ
る。フォーブス2001/1月号79頁に佐藤隆三氏の『不況は日本人の生活の「質」をあげた』
というコラムを見つけた。失われた10年という発想は供給側の視点で、需要側=消費者か
ら見れば決して悪いことではない、と言う。納得だ。経済には両面がある。例えば円安の
悪影響が喧伝される陰には良い影響もある筈で、それは円高の悪影響を考えれば分かる。
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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