雑考400 第168号 無限合計 2000.3.11
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第158号「夜空は暗い」で引用した「ゆらぎの不思議宇宙創造の物語」佐治晴夫 著PHP
研究所文庫65頁から、「限りなくゼロに近づくが、ゼロにはならない数の無限個合計が無
限大になる」証明方法を紹介する。極めて分かりやすい証明であり、分数が分かるならば
小学生でも理解できると思う。数学の不思議さ、面白さを味わえる格好の事例でもある。

次のような分数の合計を考える。
  1+1/2+1/3+1/4+1/5+1/6+1/7+/1/8+・・・+1/n   ・・・(1)

nが無限に大きくなれば、1/nは限りになくゼロに近づくが、ゼロにはならない。
つまり、この数式の合計は、増え方が小さくなりながらも増え続ける。

まず、(1)を次のように括る
  1+1/2+[1/3+1/4]+[1/5+・・+1/8]+[1/9+・・+1/16]+・・・(2)

すると、それぞれの[ ]の中の分数の個数は、
  [1/3+1/4]=2個(4−3+1)
  [1/5+・・+1/8]=4個(8−5+1)
  [1/9+・・+1/16]=8個(16−9+1)
となることが分かる。

次に、それぞれの[ ]の中の一番右端の数字に置き換える
  1+1/2+[1/4+1/4]+[1/8+・・+1/8]+[1/16+・・+1/16]+・・・(3)

[ ]内の一番小さい数字に置き換えたのだから、同じ個数までの合計は
  (2)>(3)    ・・・(4)
である。
さて、それぞれの[ ]の合計を計算すると、
  [1/4+1/4]=1/4×2=2/4=1/2
  [1/8+・・+1/8]=1/8×4=4/8=1/2
  [1/16+・・+1/16]=1/16×8=8/16=1/2
となる。
従って、(3)は次のように書き換えられる。
  1+1/2+1/2+1/2+1/2+・・・+1/2
 =1+m/2  mは1/2の個数        ・・・(5)

ここで m→∞(無限大)ならば、(5)はいくらでも大きくなることが分かる。

 (4)から (2)>(3) だから (2)>(5)  ∵(3)=(5)

よって
  (5)=∞(無限大) ならば (2)=(1)=∞(無限大) となる。

※今回は400字をオーバーしましたが、了承願います。
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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