雑考400 第136号 コストダウン 1999.12.19
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第135号で賃下げ春闘について書いたが、私の視点は、労組を持つ大企業という偏った
ものである事に気づいた。春闘は、企業の従業員が労働組合を組織し、経営者に対して行
う春季生活改善闘争だ。現実には、一部の大企業とその系列企業だけの話ではないか?日
本の基本的な製造産業の構造は、大企業と下請け企業で成り立っていると思う。大企業は
子会社、或いは外注先の企業に対して強力なコストダウン(値引き)を要求する。値引きは
毎年継続的に行われる。要請に答えられなければ、取引は縮小・停止であり、下請け会社
にとっては死活問題だ。また外注先は繁忙時には大量の仕事を納期厳守で要求される。だ
が仕事が減れば、外注先へ出す仕事も容赦なく減らされる。一方で大企業の従業員には毎
年、春闘での賃上げが行われてきた。浅川純氏の「社内犯罪講座」(新潮文庫)の「円高不
況を乗りきるために」は、コストダウン要請のリアリティがよく出ている小説だと思う。
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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