雑考400 第113号 言葉での表現 1999.10.30
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大変だな、と感じるものに音楽評論がある。1999.5.25読売朝刊にあった音楽評論家、
丹羽正明氏の記事から抜粋する。これはフィラデルフィア管弦楽団と指揮者サヴァリッ
シュ氏が5月13日夜にサントリーホールで行った公演に関する記事だ。
『−略−R・シュトラウスの交響詩から、まず「ドン・ファン」が取り上げられた。物語
風に提示されて行く主題に際して、サヴァリッシュのリードでは、論理的な整合性が揺る
ぎなく保たれているのは、ソナタ形式に準拠しているこの作品の構造を、さすがに的確に
踏まえた結果と思われる。 一方、野放図には感覚に身を任せず、常に背後から醒めた目
が見守っているのは、彼の指揮の抜き難い特色と言うべきものだろう。−略−後半は、お
得意のブラームス「交響曲第一番、ハ短調」。手堅く設定された段取りと、抑制の利いた
表情がもたらす見事な高揚感には、有無を言わさぬ完成度の高さが見て取れた。』
音楽に造詣が深い人なら、これを読んですぐにイメージが湧くのだろうが、有名な曲が
やっと分かる程度の知識しかない私には、お手上げである。言葉での表現には限界があり
結局受け手の能力に左右されるのだろう。料理の味や香りなども言葉で表現するのは難し
いと思う。芸能人が料理を食べる番組で、味を表現する語彙の少なさに同情を覚える。

※今回は400字をオーバーしましたが、了承願います。
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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