雑考400 第91号 憮然として 1999.9.12
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本を読んでいると、「憮然として」「憮然とした表情で」「憮然たる態度で」という表現
を見ることがある。長年”ムッとした怒りを含んで”というような意味だと思っていたが
誤りであることを知ったのは、10年ほど前だったと思う。広辞苑第四版から抜粋すると
『ぶ‐ぜん【憮然】1)失望してぼんやりするさま。失望や不満でむなしくやりきれない思
いでいるさま。「―たる表情」 2)あやしみ驚くさま。』とある。怒りの意味を探せば、
「不満で」の部分だろうか。だが表現の主体は「むなしくやりきれない思いでいるさま」
であるから、感情の方向は内側(自分)に向かっていると感じる。”ぼんやりしている”
と言う意味では『ぼう‐ぜん【呆然】1)気ぬけしてぼんやりとしたさま。 2)あっけにと
られるさま。「―と立ちすくむ」』に近い部分もある。明らかな怒りの表現を挙げれば、
『ふん‐ぜん【憤然・忿然】いきどおるさま。怒るさま。「―として席を立つ」』だ。
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黒姫高原 橋本 好次(はしもと よしつぐ)http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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