雑考400 第78号 決定論的カオス 1999.8.11 ──────────────────────────────────────── 予測不可能な複雑な運動等をカオスといい、天気予報や流れの渦のような、変動要素が多 過ぎて、全てを計算に入れることができないもの、自然界にあるものがカオスだと思って いた。ところが「サイエンスパラダイムの潮流」黒崎政男 編 丸善ライブラリーを読み、 「決定論的カオス」を知った。簡単な方程式からカオスが発生すると言う。 208頁から紹 介する。y=ax(1-x)の単純な式を考える。a=1、x=0.4で計算するとy=0.24となる。これをx に代入して再計算すると y=0.18となる。以下同様に繰り返す。表計算ソフトを使って500 回ほど計算しグラフにするとL型の曲線となり、yは徐々に0に近づくことが分かる。次に x=0.4のまま、係数aを2,3,4と変化させる。a=2の時は5回目で y=0.5に固定される。a=3だ と y=0.68〜0.65の間を振動する。a=4では、驚くべき事に無秩序なグラフとなる。方程式 y=a(1-x)は決定されているのにカオスが発生する。実際に計算し、その不思議に驚いた。 ──────────────────────────────────────── |
橋本 好次(よしつぐ) mail:NBA00155@nifty.ne.jp http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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