雑考400 第69号 新人王問題 1999.7.13
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統計学の用語に「回帰効果」があり、「完全相関でない限り、予測値は必ず平均に近くな
る」という。市川伸一「考えることの科学 推論の認知心理学への招待」97.2.25初版 中
公新書85頁から。『大リーグで新人王をとった野球選手は、二年目には成績が悪くなるこ
とが多い。過去10年間を見ると、アメリカン・リーグでは八人、ナショナル・リーグでは
九人が、二年目悪くなっている。いったいこれは、なぜだと思うか。』正解は「1年目と
2年目の成績は完全相関ではない為、回帰効果で平均に近づく」だ。統計学の受講初期の
学生の回答は「プレッシャーがかかるから」「怠けてしまうため」等の非統計的要因が多
いそうだ。日常的にもこの種の解釈はありがちだ。例えば子供が試験で高得点を取り、こ
れをほめる。次は回帰効果で悪くなる。逆に悪い点数の時叱ると、今度は回帰効果で良く
なる。そこで「子供は、ほめるより叱って育てる方が良い」と結論する。注意が必要だ。
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橋本 好次(よしつぐ) mail:NBA00155@nifty.ne.jp  http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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