雑考400 第65号 ゾウは鼻が長い 1999.6.30
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「日本語練習帳」大野晋 岩波新書を読んだ。ベストセラーになっているらしい。「考え
る」と「思う」の違い、「が」と「は」の違い、日本語に一人称・二人称が多数ある理由
(英語はIとYOU)、尊敬語の由来など、非常に明確で説得力のある文法理論が展開されて
いる。慣れ親しんだ日本語が「目から鱗が落ちる」だった。例えば「ゾウは鼻が長い」で
は、ゾウと鼻のどちらが主語か?この例文は有名なので他に優れた解説があったかも知れ
ない。日本語練習帳によれば「が」は、現象表現・接着のうち現象表現機能で、「鼻」が
「長い」現象を表現する。「は」は、話の場の設定・対比・限定・再審の4機能のうち設
定機能。ゾウは(鼻が長い)、となる。主語が二つと見るのは、英語式であると言う。英
語は理論的言語で、日本語は理論的ではないとよく聞く。日本語練習帳を読み、それは間
違いであると思った。述語(状況の説明・結論)が文末に来るのが日本語の特徴である。
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橋本 好次(よしつぐ) mail:NBA00155@nifty.ne.jp  http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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