雑考400 第58号 人間原理 1999.6.13 ──────────────────────────────────────── 「人間原理」という言葉を初めて知ったのは「ホーキング宇宙を語る」林一 訳1989.6.15 初版 早川書房を読んだ時だった。何より言葉の響きに興味を感じた。この本の「宇宙の 起源と運命」の章で何故 宇宙はこの様な姿をしているのか?の考察で出てきた。163頁に 『これはいわゆる人間原理の適用例であるが、この原理はつぎのように言い表せる。「わ れわれが存在するがゆえに、われわれは宇宙がこのようなかたちであることを知る」人間 原理には強弱二つの種類がある。−略−』とある。知的生命(=人間)の発展には必要な 条件があって、人間が観測した宇宙の姿は即ち、人間の存在に必要な条件を満たす姿であ る、と言うものだ。つまり人間が存在するから宇宙はこの様な姿をしているとなる。この 応用でビックバンがほぼ百億年前なのは、それが知的生命の進化にかかる時間だから、と ”説明”できる、とも書かれている。「人間原理」には原因と結果の議論もあるようだ。 ──────────────────────────────────────── |
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