雑考400 第57号 ルバイヤート 1999.6.3
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ルバイヤートとは、短い四行詩のことだそうだ。「ルバイヤート オマル・ハイヤーム作
小川亮作訳 1983.5.25第28刷 岩波文庫」を16年ほど前、書店で偶然手に取った。非常に
薄い文庫本である。扉の紹介に『生への懐疑を出発点として、人生の蹉跌や苦悩、望みや
憧れを、短い四行詩(ルバイヤート)で歌ったハイヤームは、11世紀ペルシアの詩人で
ある。』とある。虚無主義的な内容だと思う。が、魅力を感じた。いくつか転載する。

『『『

12
苦心して学徳をつみかさねた人たちは、
「世の燈明」と仰がれて光りかがやきながら、
闇の夜にぼそぼそお伽ばなしをしたばかりで、
夜も明けやらぬに早や燃えつきてしまった。

16
今日こそわが青春はめぐって来た!
酒を飲もうよ、それがこの身の幸だ。
たとえ苦くても、君、とがめるな。
苦いのが道理、それが自分の命だ。

88
天国にはそんなに美しい天女がいるのか?
酒の泉や密の池があふれてるというのか?
この世の恋と美酒を選んだわれらに、
天国もやっぱりそんなものにすぎないのか?

103
世の中が思いのままに動いたとてなんになろう?
命の書を読みつくしたとてなんになろう?
心のままに百年を生きていたとて、
更に百年を生きていたとてなんになろう?

113
あわれ、人の世の旅隊(キャラヴァン)は過ぎて行くよ。
この一瞬(ひととき)をわがものとしてたのしもうよ。
あしたのことなんか何を心配するのか?酒姫(サーキイ)よ!
さあ、早く酒盃を持て、今宵も過ぎて行くよ!

』』』

酒に逃避しているだけの様にも見える。しかし、捉え方は当然ながら、自分次第だ。

※今回は400字をオーバーしましたが、原文そのままということで了承願います。
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橋本 好次(よしつぐ) mail:NBA00155@nifty.ne.jp  http://member.nifty.ne.jp/monburu/
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( 「雑考400」は、40字×10行の、1分で読める系統立っていない考察や考証です )
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