雑考400 第48号 ドラえもんの最終回4 1999.6.18
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Sさんの書いた「〜僕が勝手に考えた〜ドラえもんの最終回(仮)」を読んだ。私は感動
した。また哲学的な示唆に富んだ作品でもある。テレビ・映画の「ドラえもん」とは全く
無関係であること、また藤子F不二雄先生作の最終回がちゃんとあること、を了解した上
で読んで欲しい。改行を含め、そのままの形で4回に分けて転載する。なお、この引用は
作者のSさんから、私(橋本)が直接に了承を得た上での転載である。従ってチェーン
メール等の悪用はもとより、無断転載は一切しないで欲しい。掲載されているホームペー
ジURLは、http://gamella.elcom.nitech.ac.jp/|~satoh/doc/ware/dora.htmlである。
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●〜僕が勝手に考えた〜ドラえもんの最終回(仮) 4
自宅の研究室にて...。
あれからどれくらいの月日が経ったのでしょう。しずかちゃんが研究室に呼ばれ
ました。絶対に入ることを禁じていた研究室でした。中に入ると夫であるのび太
は微笑んでいました。そして机の上にあるそれをみて、しずかちゃんは言いまし
た。
「ドラちゃん...?」
のび太は言いました。
「しずか、こっちに来てごらん、今、ドラえもんのスイッチを入れるから」
頬をつたうひとすじの涙...。
しずかちゃんはだまって、のび太を見つめています。この瞬間のため、まさにこ
のためにのび太は技術者になったのでした。なぜだか失敗の不安はありませんで
した。こんなに落ち着いているのがヘンだと思うくらいでした。のび太は、静か
に、静かに、そして丁寧に、何かを確認するようにスイッチを入れました。ほん
の少しの静寂の後、長い長い時が繋がりました。
『のび太くん、宿題は済んだのかい?』
ドラえもんの設計者が謎であった理由が、明らかになった瞬間でもありました。
あの時と同じように、空には白い雲が浮かんでいました。
おしまい。
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※今回は400字をオーバーしましたが、原文そのままということで了承願います。
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