寧日雑考 第20号 万年筆考 2017.1.2
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最近、万年筆に嵌まっている。

切っ掛けは漢字を書けなくなったと実感したことである。

講演メモを取っている時、簡単な漢字でさえも咄嗟には出てこないことに
愕然とした。恐らくパソコンの使い過ぎが原因だろう。
そこで、小学生の頃に散々やった漢字の書き取り練習をやれば、
漢字がスラスラ書けるようになるだろうと思いついた訳だ。
そんな折りに文房具屋で偶々、安価な万年筆を見つけたのが始まりである。

万年筆を使い、日常使う普通の簡単な漢字に加えて、
躊躇、改竄、蝋燭、憂鬱、土嚢、翳、簾、茣蓙、甕、御輿、滲、
葡萄、髑髏、躑躅、魑魅魍魎、などの、読めるが書けない漢字も、
只管書き取り訓練した結果、なんとか書けるようになった。

書いているうちに、万年筆は筆圧不要で、ひょろひょろ書く私には
ぴったりの筆記用具だと気づいた。

最初に購入したのはプラチナ万年筆PLAISIRの緑(プレジール)定価1000円である。
書いているうちに欲が出てきて、もう少し高価な万年筆が欲しくなった。
そして長男から、むかし叔父に貰ったが今は全く使っていないという
パイロットGRANCEの銀(グランセ)定価10000円を譲り受けた。
GRANCE(グランセ)は、PLAISIR(プレジール)よりも重みがあり、
万年筆という感じがする。

次に、特徴的な文字の形になるカリグラフィ用のペン先を使用した
パイロットPRERAの透明(プレラ)カリグラフィ定価3500円を2本購入した。
この時インクの色も楽しもうと、パイロットの色彩インクシリーズ「色彩雫」の
「朝顔」と「紅葉」を一緒に購入した。(朝顔は青、紅葉はピンク掛かった赤)
このセットで文字と色の楽しさを知った。

万年筆は「キャップを外して胴に嵌め、徐に書き出す」という手順が必要だ。
この手続き自体が面白さのひとつなのだが、急いでいると少し煩わしいと
感じることもある。

そこでパイロットのキャップレスdecimo赤(デシモ)定価15000円を見つけた。
これは優れものだ。胴体尾部のノックをカチッと押してすぐに書き出せる。
ノックを戻せばインクは乾かない。この感覚はノック式ボールペンと同じだ。
一緒に「色彩雫」人気No.1という「月夜」も購入した。(月夜は緑掛かった青)

以上が目下のところ私が所有する万年筆及びインク系列である。
色彩インク色彩雫の、朝顔、紅葉、月夜、は色合いがとても美しい。
色彩雫シリーズは全部で24色あり楽しみである。

私が感じる万年筆の特徴(好都合、不都合)は次の通りだ。
○好都合
・筆圧不要
・インクがダマにならない
・同じ万年筆で好きな色が楽しめる(コンバーター使用)
・筆記用具としての風格がある
・書く際の感触が良い

●不都合
・インクが滲む
・裏写りする
・水で溶ける
・手入れが面倒

以上は飽くまで個人の感覚なので、都合は人によって変わる。実際、
私でさえ、手入れが面倒は、だから道具としての楽しみがある、とも言える。

機能的で想像以上に楽しい万年筆とインクの系列を、手頃な価格で揃えられて
嬉しい。
今でも日々の記録は、パソコンで秀丸エディタとATOKを使って書いており、
これは手放せないのだが、その一方で書見中、難しそうな漢字に出くわす度に、
帳面に万年筆で何度も書き取りを繰り返し、空で書けるようにしている。
これは呆け防止の効果も大きいとほくそ笑んでいる。

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横浜市 橋本 好次(はしもと よしつぐ)
mail:monburu@nifty.com   http://www.geocities.jp/monburu/
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( 「寧日雑考」は、自由・不定・記録 を方針とした雑文です。)
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